NVIDIA TITAN RTXを水冷化したので、そのときの手順を残しておきます。
使用した機材
現時点(2019/2)でTITAN RTX用の水冷ブロックは販売されていないと思うのですが、TITAN RTXはGEFORCE RTX 2080 Tiと同じ基盤レイアウトになっているようなので、GEFORCE RTX 2080 Ti用の水冷ブロックを使用します。
今回はGPUの水冷化で有名なekwbの製品を使いました。国内のショップでも販売されていたりしますが、ekwbのサイトから直接購入することも可能です。(送料と税金が少しかかります)
- NVIDIA TITAN RTX
- EK-Vector RTX 2080 Ti RGB – Nickel + Plexi (水冷ブロック)
- EK-Vector RTX Backplate – Nickel (バックプレート)
水冷化するためにはTITAN RTXを分解する必要があります。
分解するとサポートも受けられなくなるため、自己責任でお願いします。
ここではTITAN RTXに水冷ブロックを取り付けるまでの部分を中心に説明しています。そのため、ポンプ、リザーバー、ラジエーターなど水冷自体に必要な機材については説明を省略しています。
水冷の全体的な構成については、こちらの記事「TITAN RTXの水冷化(全体構成)」をご参照ください。
TITAN RTXを水冷化する手順
水冷化する前のTITAN RTXです。
このデザインも気に入っていたのですが、冷却能力に限界があるので水冷化します。

まずは、バックプレート側の赤丸で囲んだネジを全て取り外します。
ネジのサイズが小さいので精密ドライバーが必要になりますが、全てプラスドライバーで簡単に取り外せます。

ネジを取り外したら、バックプレートを剥がします。
サーマルパッドで少し接着されたような状態になっているので、ゆっくり剥がします。

ヒートシンクを取り外すために、下の赤丸で囲んだネジを全て取り外します。
この部分には少し特殊な六角ネジが使用されているので、M4用のナットドライバーが必要になります。
私の場合は、M4用のナットドライバーが手元に無かったので、代わりにモンキーレンチを使ってネジを取り外しました。モンキーレンチを使う場合は、ネジ周りの基板やチップを傷つけないように注意しながら作業してください。

スロット側のネジも3箇所取り外します。

画面左側の基板はケーブルで接続されているため、スロット側から基板とヒートシンクを取り外します。グリスなどで剥がしづらくなっているので、無理な力を加えないようにゆっくりと剥がしていきます。

接続されていたケーブルも取り外し、基板からヒートシンクを取り外します。

無水エタノールなどを使って、チップやメモリに付いていたグリスを拭き取ります。
チップの間は爪楊枝、表面はキムワイプや綿棒を使うと作業しやすいと思います。ティッシュペーパーは繊維が付着しやすいのでおすすめしません。

水冷ブロックにはサーマルパッドも付属(左下の水色のやつ)していますが、より熱伝導率の高いthermal grizzlyのサーマルパッドを使用しています。
場所によって使用するサーマルパッドの厚さが異なるので、基板用には0.5mmと1.0mm、バックプレート用には1.5mmのサーマルパッドを用意します。(付属しているサーマルパッドを使用する場合は、別途用意する必要はありません)

水冷ブロックの導入マニュアルを見ながら、以下のような感じでサーマルパッドを取り付けます。使用するサーマルパッドの厚さを間違えないように注意して取り付けてください。
なお、理由は良く分かりませんが、電源フェーズに載せるサーマルパッドの幅は8mm以内にするように注意書きがあったので、それに従って8mmの幅にしています。(電源フェーズが少しはみ出したような感じになります)
TITAN RTXのチップ部分にはグリスを塗ります。このグリスもthermal grizzlyの熱伝導率の高いグリスを使用しています。

グリスとサーマルパッドを取り付けたら、水冷ブロックと組み合わせます。
組み合わせた後でねじ穴の位置調整などでずらすと、グリスやサーマルパッドまでずれてしまうので、ねじ穴の隙間からネジの位置を確認しつつ、最初に組み合わせた状態でねじ穴が一致するように慎重に作業してください。

水冷ブロックに付属している4mmと6mmのネジで、下の赤丸部分を固定します。
4mmのネジにはワッシャーも忘れずに取り付けてください。また、右上のネジだけ6mmになるので間違わないように注意してください。
水冷ブロックには複数種類のネジ(M2.5 4mm、6mm、8mm)が入っているので使うネジが分かりづらいと思います。その場合は、このページの最後で説明している方法でネジの長さを確認してみてください。

続いて、バックプレートの取り付けに入ります。
なお、バックプレートにも付属のM2.5 7mmのネジが入っているのですが、箱の底を区切った状態で入れられているので見つけづらくなっています。

バックプレートの以下の位置に、1.5mmのサーマルパッドを取り付けます。
左右のサーマルパッドの幅はもう少し狭くて良いのですが、ここでは少し広めに貼り付けています。

バックプレートも基盤に取り付けて、赤丸部分をバックプレートに付属しているM2.5 7mmのネジで固定します。

これでTITAN RTXへの水冷ブロック&バックプレートの取り付けが完了しました。
あとは、ポンプ、リザーバー、ラジエーターと接続すれば使用できます。

ネジのサイズの見分け方
ネジのサイズが分からない場合、ネジの付け根からの長さを測ってサイズを調べることができます。TITAN RTXの水冷化では、M2.5シリーズのネジしか使用しないので、後は長さだけを調べればOKです。
下の図だと長さが7mmなので「M2.5 7mm」のネジになります。
