Hardware

NZXT GRID+V3で水冷PCのファンを制御する

EKWBのポンプやラジエーターを使ってTITAN RTXを水冷化しましたが、そのままではポンプやラジエーターファンの細かい制御ができないので、NZXT GRID+V3NZXT CAMを使って、GPU温度に合わせてポンプとラジエーターファンの速度を制御できるようにしてみました。

水冷の場合は水路に温度センサーを接続して、水温に合わせてファン速度を制御する方法もありますが、今回はシンプルに構成したかったのでNZXT GRID+V3を使ったGPU温度による制御にしています。

必要なもの

ファンコントローラーとしてNZXT GRID+V3と、その設定などを行うNZXT CAMが必要になります。NZXT CAMはNZXTの製品を持っていなくても無料でダウンロードして使用できます。そのままでは一部機能が無効化されていますが、ユーザー登録(無料)すれば全ての機能が利用できるようになります。

NZXT GRID+V3には6つのファンポート(それぞれ最大5Wまで)があるので、同時に6つのファンを接続できます。また、ファンの分岐ケーブルを使えばそれ以上のファンを接続することも可能です。

  • NZXT GRID+V3(ファンコントローラー)
  • NZXT CAM(GRID+V3と組み合わせて利用する無料のソフト)

 

NZXT GRID+V3の接続

NZXT GRID+V3の本体はコンパクト(SSDと同じくらいの大きさ)なので、PCケース内などに簡単に取り付けられると思います。

USBケーブルをマザーボードのUSBピンヘッダーに、4ピン ペリフェラルコネクタを電源に接続し、後はラジエーターファンと水冷ポンプを接続すればハードウェアの接続は完了です。
NZXT GIRD+V3の新機能として、マイクを使ったノイズレベル(騒音レベル)による制御機能がありますが、私の場合は不要なので利用していません。

接続方法

以前は3分岐のファンケーブルを使って、1つのファンポートに3つのラジエーターファンを接続していたのですが、ファン速度を落としていくとファンの回転速度に大きなバラツキが出たので、現在はそれぞれのファンを個別に接続しています。個別に接続した後は、各ファンが同じような速度で回転するようになりました。

NZXT GRID+V3の説明書などには書かれていないのですが、NZXT GRID+V3は利用するファンとの相性があるようです。

私の場合は、Thermaltake Pure 20 LEDのファンを接続すると全てのファンが止まってしまうので、このファンはGRID+V3には接続しないようにしました。(Pure 20は3pin 2.7Wくらいなので問題無いはずですが、GRID+V3では何故か利用できません。他にも動作しないファンがあるようですが、理由は不明です)

なお、ラジエーターファンとして使っているEK-Vardar EVO 120ER Black BB (500-2200rpm)は問題無く動きました。

 

CAMのインストールと設定

NZXT GRID+V3の制御を行うため、NZXT CAMをダウンロードしてインストールします。初期状態では一部機能が制限されているので、ユーザー登録(無料)して全ての機能が使えるようにしています。

CAMはUIもシンプルで日本語にも対応しているので簡単に利用できます。
ファン制御の設定はもちろんですが、GPUのオーバークロックやゲームへのFPS表示なども備えているので、結構便利なツールになっています。

日本語設定

 

CAMの基本設定と機能紹介

CAMを利用する前に、いくつかおすすめの設定を紹介しておきます。
CAMの設定は、右上の歯車マークのアイコンから行えます。(日本語だとデザインが少しだけ下に長くなるので私はEnglishで利用しています)

Boot OptionsのAuto-start CAM~とStart CAM minimizedにチェックを入れておくと、Windowsを起動する度にCAMが最小化された状態で起動します。
また、Hystererisは車のハンドルで言う「遊び」みたいな機能なので、チェックを入れてファンの速度変化が過敏にならないようにしておくと良いと思います。

一般設定

 

蛇足ですが、FPSのEnable CAM Overlayを有効にすると、ゲーム画面にFPSやCPU/GPUの温度などを表示することができます。

FPS設定

 

NOTIFICATIONSで、CPUやGPUの温度が一定値を超えた場合などに通知するように設定できます。私の場合は、あまり細かい通知は不要なので、CPUとGPU温度が一定以上になった場合のみ通知するようにしています。

通知設定

 

CAMを起動した直後は、このダッシュボードの画面になります。
ここで、CPUやGPUの温度、ロード状況、クロック数などが簡単に確認できるので便利です。なお、この画面にはラジエーターファンの回転速度は表示されません。(GPU自体にもファンは付いていないのでGPUのFAN SPPEDも表示されていません)

ダッシュボード

 

GPUのオーバークロック設定も可能です。
以前はMSI AfterburnerEVGA Precision X1などを使ってGPUのオーバークロックを行っていましたが、今はCAMを使うようになりました。

GPUのOC設定の右側で、GPU温度に合わせてファン速度の制御が行えるようになっていますが、このファン速度は「GPUファンの速度」です。
今回のように、GPU自体にファンが付いていない(ラジエーターファンはGPUファンでは無い)場合、このファン設定に意味はありません

OC設定

 

GPU温度に合わせたファン制御の設定

前置きが長くなりましたが、GPU温度に合わせたラジエーターファンと水冷ポンプ(NZXT GRID+V3に接続したファン)の設定になります。

ラジエーターファンの設定

私の場合、ラジエーターファンは3台接続しているので、左側のペインで3つのラジエーターファンを選択した状態で設定を行います。

ラジエーターファンの制御

右上で「GPU」を選択すれば、GPU温度に合わせたファン速度の設定が行えます。
デフォルトで、いくつかのプロファイルが用意されていますが、多くが空冷用の設定になっているため、Customを選択して独自のプロファイルを作成します。

グラフ上で各ポイントをクリックして「温度とファン速度」を設定していくだけなので、簡単に設定が行えます。私の場合は、以下のような設定にしています。

温度 ファン速度
35℃以下 40%
40℃ 50%
45℃ 60%
50℃ 80%
55℃以上 100%

水冷の場合、「水温」60℃くらいが水冷ポンプの限界なので、かなり余裕を持たせた設定にしています。実際には、水温の方がGPU温度よりも低くなります。

私の場合、TITAN RTXを少しOCした状態で利用していますが、上の設定でGPUに100%の負荷を数時間かけ続けても、GPU温度は42℃前後、水温も35℃前後で安定します。

 

水冷ポンプの設定

水冷自体は冷却能力が高いので、水流の差で冷却能力が大きく変わることは無いのですが、以下のような設定にしています。

ポンプファンの制御
温度 ポンプ速度
45℃以下 60%
50℃以上 100%

基本的にはファンやポンプの回転速度が増えるほど騒音も大きくなる傾向にあるのですが、実際には発生するノイズの周波数も変わるので、例えば、回転速度が80%よりも100%の方が静かに聞こえる…というような事が発生します。

今利用している水冷ポンプも、80~90%の速度よりも、100%の方が静かに聞こえるので、設定値も60%→100%という極端な設定にしています。

プロファイルでFixedを選択するとファンの回転速度を固定できるため、ここでファン速度の設定を変えながら、静かに聞こえる速度を探すと良いと思います。

GPU温度に合わせたファン速度の設定を行う際に、必ず右上で「GPU」を選択するようにしてください。(どちらを選んでいるか見た目で分かりづらいのですが、GPUが黒字になって太いアンダーバーが付いている状態が、GPUを選択した状態です)

間違ってCPUの方を選択してしまうと、GPUの温度が上がっているのに、CPUの温度が低いために冷却されない…というような状態が発生します。